HAWHOKKKEKYO 真説大衆音楽”洋”語辞典
ア・カペラ a cappella
-2-
20世紀末くらいからポピュラー音楽界でいわゆるブームらしきものを呼ぶア・カペラは、アフリカン・アメリカン系音楽でのそれでした。ア・カペラをベースにしてかたちづくられる音、そのものにスポットライトが当たったのは、1940年代以降のR&Bエイジになってからでしょう。当時世に出たR&Bコーラス・グループは、ほとんどがゴスペル、つまり黒人教会音楽を出発点とする人でした。ハモルのには4声が好ましいため、4人で組む(quartet)ケースが多くなります。組み合わせとしては、リードをとるテナー、またはバリトン、バックをつとめるベース、最高音のファルセットという感じ。やがて、ツアーで1人が病に倒れたりすればトリオに。それに懲り、予備員として前もって1人プラスすれば5人(quintet)となります。それゆえたいてい3、4、5人構成になりました。
R&Bエイジ前からすでに世に出ていたミルス・ブラザーズ、そしてインク・スポッツあたりがそのルーツか。オリオールズ、フランキー・ライモン&ザ・ティーンエイジャーズ、ムーングロウズ、デルズ、ドリフターズ、リトル・アンソニー&ザ・インペリアルズらへとそのスタイルが受けつがれます。彼らのほとんどがよく練習場にしていたのは、街角……路地の片隅でした。いわゆるストリートコーナーってやつですね。ニューヨークの黒人居住区ハーレムがそのメッカとなります。暇さえあればいつでも。当然、楽器の伴奏などはありません。勢い、リードを取らないメンツがリズムを刻んでみたりもするでしょう。口で。それがヴォイス・パーカッションの始まりとなります(今のそれとはちょっと違いますけど)。“ダン、ダン、ダン”、“シュワッシュワ”、“ドゥワッドゥワ~”とかね。意味無しコトバのられつです。そんなようすから、“ドゥワップ”系と呼ばれるようになります。今のポピュラー音楽上のア・カペラとカタチそのものは基本的に同じ。
しかし、実はそういったものって、ラテン系音楽でもずっと昔からふつうの事だったりしますけどね。<つづく>
